Special to me
喪失感だけが日に日に大きくなっていったある日。
私はホームのベンチに座っていた。
宗岡駅に到着する電車から降りてくる人たちを何人も見送って。
上り電車、下り電車、何本来たかな。
ホームって、長くいるとやっぱり寒い。
駅の看板。
ホームの床にある点字案内板。
広告。
発車時刻と行き先を表示する電子掲示板。
じっと眺めた。
すると、ある電車で車椅子のお客様の乗車を手伝っている駅員さんがいたので、その様子をずっと見ていた。
乗車を終えて、電車が出発したのを見届けた駅員さん。
突然、私に背中を向けていた体の向きを180度変えて、私を見た。
近寄ってくる駅員さん。
帽子を見ると、晃樹と違って赤と黄色の線が入っているので・・・駅長さんか助役さん。
その区別は晃樹が教えてくれた。
『やっぱり、君だったか』
「はい?」
『あ、すみません。この駅の助役で曽我康行(ソガヤスユキ)と申します。君は確か、米原の・・・』
「宇都宮真子と申します」
私は立ち上がって一礼した。
私はホームのベンチに座っていた。
宗岡駅に到着する電車から降りてくる人たちを何人も見送って。
上り電車、下り電車、何本来たかな。
ホームって、長くいるとやっぱり寒い。
駅の看板。
ホームの床にある点字案内板。
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発車時刻と行き先を表示する電子掲示板。
じっと眺めた。
すると、ある電車で車椅子のお客様の乗車を手伝っている駅員さんがいたので、その様子をずっと見ていた。
乗車を終えて、電車が出発したのを見届けた駅員さん。
突然、私に背中を向けていた体の向きを180度変えて、私を見た。
近寄ってくる駅員さん。
帽子を見ると、晃樹と違って赤と黄色の線が入っているので・・・駅長さんか助役さん。
その区別は晃樹が教えてくれた。
『やっぱり、君だったか』
「はい?」
『あ、すみません。この駅の助役で曽我康行(ソガヤスユキ)と申します。君は確か、米原の・・・』
「宇都宮真子と申します」
私は立ち上がって一礼した。