Special to me
『うん。ものすごく。美優紀は、付き合っていたころより今の方が顔が晴れやかだよ』

穏やかな顔で即答した純さんこそ、晴れやかに見えた。

去年、長男の拓(タク)くんも生まれて、美優紀さんはすっかり専業主婦。

そんな生活を満喫している。

『さて、お邪魔虫は帰りますか』
「え?」
『ほら』

純さんが送った窓の外の目線の先には、歩道を歩く真子の姿があった。

慌てて家の方向に向かっている。

『早く行ってあげなよ』
「はい!」

俺は急いで店を出た。
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