Special to me
同期会がお開きになった。

私はみんなと電車が逆方向。

電車に乗ったまでは覚えていた。

でも、気付いたら・・・ここ、どこ?

目を普通に見開くと、目の前には顔のアップ。

「キャー!」

顔が近すぎて驚いてしまった私。

『驚かせてすみません。ここは、駅の事務室です』

よ、米原さん?

「私、どうしちゃったんでしょう・・・」

途中の記憶がない。

『この駅が終点の電車で良かったですよ。そうじゃなかったら、遠くの駅まで爆睡だったでしょうね、宇都宮さん』

そうか、電車の中で座ってそのまま寝てしまっていたんだ。

「す、すみません・・・」
『変な人に襲われたりしたら大変です。このまま朝まで居ますか?』

「朝、まで?」
『先程最終電車は終わっていて、駅の業務も終了しています』

え?

時計を見ると、午前1時20分。
思えば、静まり返っている。

「なら、もう米原さんは帰らないと。私も帰りますので」
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