Special to me
今日もあの時と同じ。

気が付けば、夜が明けていた。

『真子って、すごいよな』

お風呂から出た私達が交わした最初の会話。

「何が?」
『これだけの回数だと、普通1回は気を失うものだと思うけど、お前って、結構絶倫なのかもよ』

え?ゼツリン?

「な、何を言っているのよ!」

と、恥ずかしくてそばにあった枕を晃樹に投げた。

"アハハハ"と笑った晃樹はその枕をうまくキャッチして、余裕だ。

『俺といるせっかくの時間が、気を失ったらもったいないと思っているだけだろ?』
「どうして分かるの?」
『俺も同じ気持ちだから』

と言うと、私に軽くキスをしてくれた。

『さ、出よう。朝ごはん、俺が作るから』

「やったぁ」

本当は"私が作る"と言いたいところだけど、少し前までと違って、素直に晃樹に甘えられる自分がいた。

私達はこういうスタイルでいいんだ。

晃樹のいいところは、私が引き出してあげたい。

とりあえずは、助役試験、頑張れる環境を作ってあげなくちゃ。
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