Special to me
「誰に許可取ってやってるんだよ」
『俺だよ』

後ろから、曽我さんの声がした。

「サンダルに履き替えて、それから靴下も履き替えてくださいね」

と、無理矢理靴を脱がされ、持参したのであろう布団乾燥機を使って乾かし始める真子。

既に他の人のもやっているみたいだ。

"あ、いけない"と、キッチンに引っ込む真子。

「何で真子をここに入れたんですか?」
『お前は本当に分かってないなぁ。真子ちゃんは、米原の役に立ちたいんだよ』

すると、俺達の会話は筒抜けだったみたいで。

『私は、鉄道のことは分かりません。でも、分からなくたって、役に立てる方法はあるはずだって、ない知恵を一生懸命絞ったんです。お願いします。私に手伝わせてください!』

『だってさ、米原。今日の責任者は俺だ。俺が許可したんだから、お前は従え』
「・・・はい」

靴下を履き替え、サンダルを履いている俺は、

「手伝うよ」

と真子のいるキッチンで器を出し始めた。

『ありがとうございます』
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