Special to me
『真子ちゃんは、その手伝いは米原に偏ってなかったんだよね。全ての駅員に平等に、そしてお前に対しても"米原さん"だったろ?そこなんだよ』
「え?」

『鉄道員と結婚する女性って、結婚するまでの間に、恋愛のプロセスがそれなりにあると思うんだけど、鉄道員である以上は、結婚したって、色々事故や天候不良で勤務じゃないのに呼び出される場合があるわけ。でも、女性たちは鉄道員である旦那を見ているわけじゃないから、鉄道員である旦那の仕事への理解が不足していて"何であなたが出て行かなくてはならないの?"という不満が沢山あるわけさ』

曽我さんはそう言って苦笑いした。

『でも、真子ちゃんはね、ちゃんと鉄道員としてのお前を見ているんだ。お客様相手に直接関わると問題が出るけれども、駅の人全員のお手伝いができれば、私もこの駅の役に立てるのではないかってね。お前の仕事への理解が深い証拠だよ』

俺は寝ている真子を見た。
無防備な顔。
俺の好きなスッピンな顔だ。

「でも、結婚してからも同じことをするかも知れないじゃないですか」
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