Special to me
『ありがとうな、真子。でもあまり料理の腕、上達して欲しくないな』
「どうして?」
『真子より秀でているものがなくなっちゃうから』
「そんなことないもん。間違いなく料理については晃樹を超えられないから、大丈夫」

"アハハハ"と笑った晃樹。

『そこに自信を持って言うのはどうかと思うけど?』
「だってぇ、晃樹の料理、美味しいもん」
『食べるの、好きだよな、お前』
「うん」
『じゃぁ、試験が終わったら、食べ放題の店にでも行くか』
「やったぁ」

喜ぶ私にそっとキスを落とし、晃樹は再び勉強モードになった。

後片付けして、明日は仕事なので、家に帰る私。

『またな』
「ちゃんと休んでね」

勉強があるから外出はできないけど、私は晃樹がいるだけで、すごく幸せだった。

正月からしばらく続いた、あんな思いは、もう二度としたくないから・・・
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