Special to me
ゴールデンウィーク。

駅員にまとまった休みはない。

休日ダイヤなので出勤する駅員の数は減るけど、鉄道は年中無休だ。

だから、私は、晃樹のアパートで掃除と料理を頑張った。

晃樹は勉強漬けの毎日だった。

そして、試験前日。

休みが貰えた晃樹は、最後の追い込みをしている・・・だろう。
私は集中して欲しくて、会社帰りは真っすぐ自宅へ帰ろうと思っていた。

ところが・・・晃樹からメールが来た。

―"会いたい"―

と。

ここは、晃樹の望みは叶えるべきと思った私は、晃樹のアパートへ向かった。

すると、晃樹は料理を作って私を待っていた。

「え?勉強は?」
『もう、あとは寝るだけだもん。やるだけのことはやったし』
「そうか」

"それよりも・・・"と、背後から私に抱きつく晃樹。

『すっごく真子に会いたかったの』

と、耳元で囁かれると、私は腑抜けになる。

『だから、お風呂入ってメイク落としてきて』
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