Special to me
『俺の誕生日プレゼント、真子を貰ってもいいかな』
「もちろん。たくさん愛して?」
『いや、そうじゃなくて』

そう言うと、晃樹はおもむろにポケットから財布を出し、中から小さな巾着を出した。

それをそのまま、私に渡してきた。

『開けてみて』

私は言われた通り、巾着の紐を解いて中身を出すと、それは輝くダイヤの指輪だった。

「これ、って・・・」

フリーズした私から晃樹はその指輪を取り上げると、私の左手を握ってそのまま薬指に嵌めた。

『まだ、試験の結果は出ていないけど、合否に関係なく、このタイミングだと思っていた』

指輪を嵌めた私の左手を握ったまま、晃樹ははっきり言った。

『真子、俺の奥さんになって頂けませんか?』

驚いて、言葉が浮かばず、真っ白になってしまった私。

近かったはずのカラスの鳴き声も、遠くに聞こえる。

『おい、真子、大丈夫か?』

真っ白な私に、心配そうな声で晃樹が私の顔を覗き込んだ。

「ご、ごめん。ビックリしちゃって」

我に帰って、私は改めて返事をした。
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