Special to me
背筋を伸ばした私。

「はい、喜んで米原晃樹さんのお嫁さんになります」

すると、力強く晃樹は私を抱きしめた。

『良かったぁ、不安だったんだ』
「どうして?」
『まだ、付き合って1年経ってないだろ?真子の親ともああなってしまったし・・・一世一代の勇気を振り絞ったんだよ、これでも』

晃樹はそう言って私の体を離すと、ホッとした表情を浮かべた。

「私は、晃樹と結婚することに、全く迷いはないよ。付き合う期間なんて関係ない。しかも晃樹は8年半、私を見てくれていたわけだから、自信持ってよ」

『ありがとう、真子』

そう言うと、今日も大好きな晃樹の笑顔で私を見つめてくれた。

だから・・・じゃないんだけど。

猛烈に晃樹を愛したくなってしまった。

・・・とは晃樹には言えない。

『なぁ、真子』
「何?」
『この後、俺の部屋じゃなくて、どこか外で夕飯食べたら、ラブホテル行こうか』
「私の"声"が聞きたいの?」
『分かっているくせに』

と、私の手を引いて車に乗り込み、

晴れて"婚約者"となった私を今日も優しく激しく抱いてくれた。
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