Special to me
「今言ったこと、本当に晃樹の考え?私に気を使ってない?私に丸投げしないでよ。自分の考えを言って」

すると晃樹は私を見て、微笑みつつもため息をついた。

『真子には通用しないよね。ごめん。まずはさ、俺の結婚観を聞いて欲しい。けど、ここで話す内容ではないと思うから、うちに行こうか』

そう言うと、私の体を起こして、自分も立ち上がった。

ここは、ラブホテル。

色んな愛の形はあるだろうけど、一時的にそれを確かめ合うことを目的とした場所。

晃樹の言う通り、これから一生の話をするのには確かに相応しくない。

私は晃樹の考えに従い、素直に着替えて外へ出た。

ホテルの駐車場で、

『ちょっと車に乗って待ってて』

と言われ、助手席で待つこと3分くらい。

外を見ると、晃樹がどこかに電話をかけていた。

程なく戻ってきたので、

「どこか電話してたの?」

と聞くとあっさり、

『実家だよ』

と、答えてくれた。
< 146 / 255 >

この作品をシェア

pagetop