Special to me
リビングに行くと、真子のお父さんが待っていた。

「こんにちは。先日は見苦しいところをお見せし、申し訳ございませんでした」

お父さんにも一礼した。

『まぁ、いいじゃないか。まだお昼ご飯には早いから、ソファーにでも座ってくつろいでください』
「失礼します」

お父さんが指示する場所に座った。

程なく、お母さんが麦茶を持ってきてくれた。

「ありがとうございます」

真子が俺の隣に座る。

『まず、話は君達からした方がいいんじゃないのか？私は聞いていることにするよ』

俺達から・・・

「はい」

一瞬真子を見て、お父さんに向き直った。

「先日は、真子さんへの遠慮と、自分のプライドを捨て切れず、みっともないことをいたしまして申し訳ございませんでした。深く、反省しております」

俺は座りながら、三度頭を下げた。

「僕が真子さんのことを好きになったきっかけは彼女がまだ中学３年生の時なんです。大学どころか高校へも行く前で、ましてや龍成社に入る未来なんて、本人すら知らなかった頃です。僕はそんな、まだ人生のレールに乗ろうとしている頃の真子さんに、一目惚れしたのです」

俺は真っすぐお父さんを見た。
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