Special to me
「真子さんのお父さん、お母さん。僕、米原晃樹と、真子さんとの結婚を許可願いたく、今日はお願いに上がりました。よろしくお願いいたします」
『お願いします』

2人で、頭を下げた。

長く、長く・・・

すると、

『ふたりとも、頭を上げなさい』

お父さんが静かに頭を上げた俺達に言った。

『こんなふつつか過ぎる娘だけど、貰ってくれるか?嫁に』
「え?」
『真子は、男兄弟の中で育っているので、女の子らしいことがほとんどできない。でも、人へのお節介が過ぎるところ・・・いや、気の付くタイプだとは思う』

お父さんは穏やかな顔で娘の話をする。

『真子、仕事は続けるの?』

お母さんが尋ねる。

『辞めないよ。晃樹とそう決めた』

「僕は、月の3分の1は駅に泊まっている生活です。専業主婦になって俺の帰りを待つのには、ちょっと寂しい思いをさせてしまうのと、あとは、やっぱり真子さんには龍成社で納得するまで仕事して欲しいと思ったからです。何なら定年まで働いても、僕は構わないと思っています」

俺の言葉に、真子が続けた。
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