Special to me

『あらかじめ決めておくのではなく、環境の変化に応じてしっかりその都度話し合って決めて行く、そんな夫婦でありたいと晃樹と話しているの。だからこの先、助役試験の結果も待っているし、私達がどうなるか分からないけれども、お父さんお母さんに応援してもらえたら、嬉しいな』

『助役試験？』

お父さんが聞いてきたので、俺は説明をした。

『そういうステップアップもいいことだと思う。真子の仕事のことを含め、応援させてもらうよ。真子、社長には話したのか？』

『それが、長期海外出張中で、月曜日に出社するから、その時に話そうと思ってるよ』

真子がそう話すとすぐに、"社宅の話は？"と俺に耳打ちしてきた。

俺はそれに頷いた。

「あと、誠に言いにくい話なのですが、真子さんとの話し合いで、結婚後の新居を、僕が勤める江戸高速鉄道の社宅にしようかと思っておりまして、その手続きが必要な中で・・・」

言いにくいけど、俺は１つ息とついて、口にした。