Special to me
『社宅に入れば、これから先の選択肢も広がりそうだな。私が入籍を認めるも認めないもない。2人で決めて、頑張りなさい』

「ありがとうございます」
『ありがとう、お父さん』

『ところで、入籍と社宅への入居だけで終わり?結婚式は?新婚旅行は?』

お母さんが矢継ぎ早に聞いて来た。

俺は、自分の考えを即答した。

「どちらもやりたいと考えております」

それに驚いたのが、真子だ。

そりゃそうだろうな。
言ってないんだから。

「これは真子さんにも初めて言うのですが、結婚式は、やりたいです。理由は2つあって、今までお世話になった方々、会社の人や友人、真子にも同様にいるかと思います。その方々に感謝の宴を設けたいと思うのと・・・もう1つは月並みですが、真子のウエディングドレス姿が見たいという、ただの僕の趣向です」

『晃樹・・・』

「だから、考えよう。入籍して、引っ越し済んでからでもいいだろ?」
『うん』

それと、もう1つ、俺から言いづらいことを言わなければならない。

「それと、新婚旅行なんですが・・・」
『うん』

お父さんとお母さん、真子まで視線を感じる。
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