Special to me
次の休憩に入ると、曽我さんに"明日の夜は空いている?"と聞かれたので真子とは約束はしていないものの、午後半休を取っているからどっぷり一緒だろうと思って、

「予定、なくはないですけど・・・」

と曖昧な答えをしたら、

『どうせ真子ちゃんと一緒なんだろ?なぁ、助役試験合格と、お前たちの結婚祝いをやらない?場所は西ノ森駅前で。もちろん、真子ちゃんも一緒に』

そうだ。

曽我さんは西ノ森駅前社宅の住人だった。

「ありがとうございます。本人に確認しておきますけど、連れて行く方向でお願いします」

明日入籍ということは、明後日から10日間の休みが取れる。

俺達はその次の日の月曜日から土曜日まで、旅行に出ることにした。

場所は、北海道。

真子が海外を嫌がった。

飛行機が嫌いなのと、言葉が通じるところでのんびりしたい、と。

だから現地でレンタカーを借りて、道内を巡る旅をすることにした。

先程、助役試験に合格した報告と、明日曽我さんと一緒に出掛ける話を合わせて真子にメールすると、

―"やったぁ。良かったね。これで晃樹も鉄道員としてステップアップ!曽我さんとのお祝いの会は大丈夫だよ。"―

と、絵文字いっぱいのメールが返ってきた。

メールを読んだだけでも、真子に会いたいと思う俺は、相当重症だ。
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