Special to me
『あのね、かなりカッコいいよ。駅で働くのとはまた違う、凛々しさがあるの』
"あ、お茶がなかった"と立ち上がろうとした千尋さんを曽我さんが制し、千尋さんを座らせた。
お茶をグラスに入れる曽我さんは、
『こんなこと言われて、自惚れない男はいないよな。さ、乾杯だ』
『では、米原さんたちのご結婚と、助役試験合格を祝して』
"かんぱーい"
『ところで、この真下は、どなたがお住まいなんでしたっけ?』
この真下は212号室。
つまり私達が住む211号室の隣の部屋。
『野口さんだよ』
『野口さん・・・あ、今は指令所にいる方でしたっけ』
『そうそう。奥さんは専業主婦。っていうか、この社宅の住人のほとんどはそうだけど』
「鉄道員の奥さんって、専業主婦が多いんですか?」
私には興味のある話題だ。
『結局、専業主婦になって楽したいと思って鉄道員っていう安定した職業の男と結婚する人が大多数だからね。うちの連中も女性との出会いがそもそも少ないから、そのまま流されちゃうんだろうけどね』
何か、晃樹の前の彼女みたいな考え方だ。
『この社宅、30世帯が入居できるんだけど、多分働いている奥さんって、うちと、真子ちゃんと、あと・・・』
『内倉さんくらいか?』
『あ、そうそう。奥さんは保育士やっているのよね』
"あ、お茶がなかった"と立ち上がろうとした千尋さんを曽我さんが制し、千尋さんを座らせた。
お茶をグラスに入れる曽我さんは、
『こんなこと言われて、自惚れない男はいないよな。さ、乾杯だ』
『では、米原さんたちのご結婚と、助役試験合格を祝して』
"かんぱーい"
『ところで、この真下は、どなたがお住まいなんでしたっけ?』
この真下は212号室。
つまり私達が住む211号室の隣の部屋。
『野口さんだよ』
『野口さん・・・あ、今は指令所にいる方でしたっけ』
『そうそう。奥さんは専業主婦。っていうか、この社宅の住人のほとんどはそうだけど』
「鉄道員の奥さんって、専業主婦が多いんですか?」
私には興味のある話題だ。
『結局、専業主婦になって楽したいと思って鉄道員っていう安定した職業の男と結婚する人が大多数だからね。うちの連中も女性との出会いがそもそも少ないから、そのまま流されちゃうんだろうけどね』
何か、晃樹の前の彼女みたいな考え方だ。
『この社宅、30世帯が入居できるんだけど、多分働いている奥さんって、うちと、真子ちゃんと、あと・・・』
『内倉さんくらいか?』
『あ、そうそう。奥さんは保育士やっているのよね』