Special to me
『これは男の会話なんだけどさ。曽我さん、結婚した頃に言ってたのは、ナンパした理由は、とにかく胸の大きくてグラマーな印象だったから。で、実際抱いてみたら体の相性と抱き心地が最高で、他の女性をその後抱いても結局千尋さんの感覚が忘れられず、最初はセフレみたいな付き合い方だったのが、そのうち、千尋さんとしかセックスする気が起こらなくなったんだって』

「そうなの?まぁ、でも、そこに曽我さんの愛があれば・・・きっかけはどうでもいいか、な」
『俺もそう思うよ。いくら生活の安定とか、外見のカッコいい男を求めたって、体の相性が悪ければ、おそらく女性は幸せになれない。そして、男も幸せにはなれない』

この晃樹の意見。
少し前までの私なら、反対意見を述べたかも。

"体ありきの付き合いだなんて、そこに愛はあるの?"みたいな。

でも、晃樹との出会いは、私の考えを変えた。
好きになったら、やっぱり心も体も同じくらい欲しくなる。

でも、外見だけでは体の相性なんて分からないから、一種の賭けのようなもの。

『俺も曽我さんと同じで、真子としか、もうシたくない。だから結婚したんだし』

そう言うと、私に一度キスをしてくれた。

『今日はこのまま帰るよ。旅行のために余力残して置かなくちゃ』

その"余力"がどういう意味かは、敢えて聞かないけどね。

こうして、入籍当日の夜は、曽我さんに幸せでラブラブな話を聞けて、心が洗われた私達だった。
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