Special to me
「・・・だって、自動化されている部分はあっても、それでも人間がやらなければならないことってなくなることはないと思うから」
『そうだよね。自動化しても俺の存在が会社にとって必要であると認められるように頑張るよ』

晃樹はそう言って自分を奮い立たせていた。

その後は"幸福駅"にも行こうとしたら、いつの間にか通り過ぎていて、行きそびれてしまった。

この日は、釧路市内のホテルに泊まる。

ここは、ダブルがなくて、セミダブルかツインの部屋のみ。
だから、2人で泊まる場合はツインを選ぶことになる。

けど…まぁ、分かってはいたけど、

"真子依存症"と言いながら部屋に入るなりドアを閉めてから一歩も動かずに私を可愛がる晃樹と一緒にいる中で、片方のベッドは無用の長物だった。

それぞれのベッドでゆっくり寝るなんて、あり得ないよね…

かと言って、こんな廊下みたいなところで最後まで…って言うのもあり得ない。
だって、今日は入籍して初めて一緒に夜を過ごすんだから。

「ちょっと、晃樹?私のことをちゃんと愛して欲しいんだけど」

と、突き放した。
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