Special to me
『ごめん』

と、俯く晃樹。

「大丈夫。私もちゃんと晃樹を感じたいから、焦らずゆっくり後で私を味わって。その前に体をキレイにしなきゃ」

ここはバスルームの狭いビジネスホテル。
一緒に入るのは厳しいので、それぞれシャワーを浴びた。

バスローブを着て、ベッドに座った私。

窓から外を見つめる晃樹。

『長かった』
「ん?」
『俺の奥さんになってくれた真子が、ここにいる』

振り向いて私を見た晃樹。

『俺は真子の夫として、真子に愛され続けるように頑張るよ。もう、おととい曽我さん家に行った時から、影響もろに受けちゃって』

曽我さんの千尋さんに対する愛情。
千尋さんの曽我さんに対する愛情。

その空気を感じてしまった私達は、結局ずーっと火が点いていた。

だから…晃樹が

『明日からも長い移動があるから無理できないよね』

って言ってたけど、こんな環境を丸2日待ちわびていた私達は、晃樹の言葉によって抑止できる効果を発揮できず…
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