Special to me
『特別扱いは玲奈だけで十分。アンタは別に秘密を抱えているわけじゃないんだから』
「はぁい」
『アンタさ、怒られてるって感じてないでしょ』
『どうしたの?』
恵美加の背後から声がした。
げっ、しゃ、社長。
このフロアの構造として、社長を含めた各々役員の部屋へはここ秘書室の中に一旦入って低いパーテーション横の通路を通らないと行けない作りになっている。
だから社長がここにいても全く不思議じゃないんだけど…同期同士のただの私語に首を突っ込んでくるのは珍しいかも。
『根本さんの声、廊下まで聞こえていたよ』
『お恥ずかしい限りです』
"根本さん"こと、恵美加は一歩私との距離を離した。
『何か揉め事?』
『いえ、宇都宮さんが所定の結婚届が未提出で、その注意をしていたところです』
『ところで、君は"宇都宮さん"でいいの?』
えーっと…はて?
「宇都宮ですけど、でも名前が変わって…」
『会社ではどちらを名乗るのか、まさか決めてないのかな?』
社長に突っ込まれ、ハッとなる私。
「き、決めていませんでした…」
"アハハハ"と笑う社長。
「はぁい」
『アンタさ、怒られてるって感じてないでしょ』
『どうしたの?』
恵美加の背後から声がした。
げっ、しゃ、社長。
このフロアの構造として、社長を含めた各々役員の部屋へはここ秘書室の中に一旦入って低いパーテーション横の通路を通らないと行けない作りになっている。
だから社長がここにいても全く不思議じゃないんだけど…同期同士のただの私語に首を突っ込んでくるのは珍しいかも。
『根本さんの声、廊下まで聞こえていたよ』
『お恥ずかしい限りです』
"根本さん"こと、恵美加は一歩私との距離を離した。
『何か揉め事?』
『いえ、宇都宮さんが所定の結婚届が未提出で、その注意をしていたところです』
『ところで、君は"宇都宮さん"でいいの?』
えーっと…はて?
「宇都宮ですけど、でも名前が変わって…」
『会社ではどちらを名乗るのか、まさか決めてないのかな?』
社長に突っ込まれ、ハッとなる私。
「き、決めていませんでした…」
"アハハハ"と笑う社長。