Special to me
☆鉄道員の妻としての覚悟~side MAKO~
晃樹と入籍して間もなく3ヶ月が過ぎようとしている。

式場との打ち合わせも順調に進み、昨日招待状の入った封書を全員に発送した。

そんな9月中旬の金曜日。
同期達が私の入籍を祝ってくれることになり、個室の居酒屋に私はいる。

桐生、花村、谷重、そして恵美加。

溝口も誘ったけど、取材が入って欠席。

そして玲奈も不参加。

『金澤が来られないのは、いつもだからな』

花村が言うように、最近は欠席が多い。

玲奈が来られない本当の理由は、恵美加と私は知っているんだけどね。
でもそれは絶対に口外できないことだから、花村の話は広げないことにしよう。

『もう、お前は"ウツ"じゃないんだよな』

桐生が寂しそうな声で言う。

私は戸籍上では"米原真子"なので、確かに"ウツ"ではない。
でも、今更恵美加や玲奈のように男どもから"真子"とも呼ばれたくないし・・・・

「"ウツ"でいいよ」

『ねぇ、今日は旦那さまはどうしているの?お留守番?』

恵美加が聞く。

「いや、今日は仕事だよ。明日の午前中にならないと帰って来ない」
『駅員って、不規則そうだよな』

花村がそう言ってビールをゴクゴク飲んだ。
< 217 / 255 >

この作品をシェア

pagetop