Special to me
『俺達独身貴族に、結婚のススメか』

谷重が言う。

「勧める、と言うにはまだ私は早いと思うけど、いい人がいたら、早い方がいいと思うと言うこと。妻を養うまでの甲斐性がないから、なんて言うのは時代遅れ。そんなこと考えてたら、婚期逃しちゃうよ」

夫婦は2人で助け合って生活していくもの。

旦那さんに養ってもらうのもありだと思うけど、私は納得行くまでは兼業主婦でいようと思う。

まぁ、主婦は出来ているかどうか疑問。
相変わらず料理は晃樹の方が上手いし、掃除だって私が仕事の間にやってくれちゃう。

『結婚式、楽しみにしているよ』

と、みんなに言われ、私は家に帰る。

誰もいない社宅の家。

ずっと実家暮らしが続いた私にはちょっと寂しいものがあるけど、晃樹の仕事がこういうスタイルなんだから、理解しなくちゃ。

ちょっと飲みすぎたなぁ。

シャワーを浴びて眠りについた。

何時間寝ただろう。

『おーい、お寝坊マコちゃん。いつまで寝ているの?』

いつの間にか帰宅していた晃樹に起こされた。

時計を見ると、午前10時半。
さすがに寝過ぎだ。
< 219 / 255 >

この作品をシェア

pagetop