Special to me
「あ、ごめん」

『昨日は結構飲んだのか？』
「うん。飲んだけど、そんなに帰りは遅くならなかったんだけどなぁ」

"フフ"と晃樹は笑ってベッドで寝ている私の頭を撫でた。

『お昼ごはん、どこか外に食べに行くか』
「うん！」

私は起き上がって準備をし、明けで疲れているはずの晃樹の運転で国道沿いにある郊外のレストランで食事をした。

メニューから料理を選び、頼み終えたところで、晃樹の携帯が鳴った。

晃樹は携帯を見ると、表情が曇っているのが私にも分かる。

「どうしたの？」
『人身事故だってさ。しかもうちの駅の構内。昨日は金曜日の夜にもかかわらず平和だったのに、こんな土曜日の昼に起こるなんて』
「そんな情報、誰がくれるの？」

事故が起こると忙しいのに、誰かメールをくれるのかな。

『あれ、真子知らない？最新の運行情報をメール配信しているサービス』

知らなかった。

晃樹の仕事の状況が分かるかもしれないと思い、私もその場で登録した。
< 220 / 255 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop