Special to me
そして、朝のラッシュ時の乗務をしたのち、9時前の下り電車で菅原駅に到着したところで、勤務終了。

『実は、駅より仮眠時間が長いんだよ。だからと言って人の命を扱うわけだから、より緊張するし、疲れは溜まるよね』
「うん、無理はしないでね」
『ごめんな、結婚式の準備、任せっぱなしだよね』

晃樹がそう言うのは意外だった。

式場側との打ち合わせは晃樹は無欠席だし、任せっぱなしという意識は私にはなかった。

「大丈夫だよ。晃樹はちゃんと準備に参加しているじゃない」
『でもさ、料理にしろ、会場装花にしろ、音響にしろ、二次会の手配にしろ、全部真子がやっているじゃん』
「一緒に決めてるじゃん」
『それは真子がある程度候補を絞ってからの話でしょ?絞るまでが大変なはずなのに』

そう言うと、ソファーに座っていた私の隣に座っていた晃樹が私の肩を抱いた。

晃樹の言うことはひとつも間違えていない。
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