Special to me
『あれ?スーツ姿じゃなかったっけ?』
「何でもいいの」

そんな話をしながらホームを歩く私達。

すると、反対側から別の車掌が歩いてきた。

『あれ、米原さん、お疲れ様です。お知り合いですか?』
『おお、園部。俺の・・・妻だよ』

私は頭を下げた。

『結婚式より先に奥様にお会いできて、嬉しいです。では』

軽い話で彼は去って行った。

それはそうだよね。

彼はこれから乗務なのだろうから。

『園部は、俺が宗岡駅に異動になった時に入ってきた2年後輩で、先に社員Bのまま車掌になった、車掌では先輩だね』

そして、私達は、乗務区の入り口に着いた。

『じゃあね』
「がんばってね」

私は、入り口のドアが閉まるまで、ずっと晃樹の後ろ姿を目で追いかけていた。

そして1人、私は家に帰る。

するとちょうど、曽我さんと西ノ森駅の改札で偶然会った。

「曽我さん」

『おお、真子ちゃん。今日は遅い・・・っていうか、何で上り電車に乗っていたの?』
「ちょっと、社会科見学をしていました」

すると曽我さんは私をじっと見た。
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