Special to me
『夫の職場見学ってことか、さすが真子ちゃん。行動派だね』
「千尋さんの入れ知恵ですよ」

曽我さんはあれから引き続き、宗岡駅の助役をやっているはず・・・だけど、この時間に改札にいたのは何でだろ?

『俺は、今日は研修だったんだよね。研修所が遠くてさ。だからこの時間』
「千尋さんが待ってますよ」
『そうだね。で、車掌やっている米原はカッコ良かった?』
「極上のカッコ良さでした」
『おやおや、お熱いこと』

ここから社宅まで徒歩3分ほど。

その道のりを曽我さんと一緒に歩く。

「猛(タケシ)くんは元気ですか?」
『元気かどうかは、真子ちゃんもよく分かっているでしょうに』

確かに。
曽我さんの子供の猛くんに会ったのは3日前だから、そう変わるもんじゃないか。

『結婚式、楽しみにしているよ』
「ありがとうございます。猛くんはどうするんですか?」
『千尋のお母さんが今月いっぱいうちにいるから、預けるよ』

子供を持つというのは大変だ。

子供は誰かが必ず見ていないとならないから。

私にも、人の親になる時が来るのだろうか?

猛くんや千尋さんを見ていると、そう思わずにはいられなかった。
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