Special to me
その後は、俺の同期たちが来た。

俺の同期に女性はいないので、野郎ばっかり。

その中には、牛窪もいた。

彼とは特に言葉は交わさなかったが、表情を見れば分かる。

今、充実しているんだということが。

"いいなぁ、奥さんとの馴れ初めを聞いてしまうと、俺達も誰かいないかとお客さんを品定めしてしまいそうだよ""俺は声を掛けちゃうね。どうかしましたか?って"

「おいおい、程々にしてくれよ。会社の信用問題になりかねない」

バカなことを言う同期たちは、ここにいる7人のうち、結婚しているのは社宅仲間の市東だけだ。

『でも、お前らは結局時計の話じゃなくて、駅の事務室に連れ込んだのがきっかけだろ?信用問題とか言える資格はねーだろ』

その市東が笑いながら俺に言う。

「あ~、もう何とでも言えよ」

そんな俺の言葉に今度は真子が笑った。

『いい同期を持っているのね、晃樹』
「あ、お前まで笑うか」

だから、俺は真子に耳打ちしたんだ。

"今晩、仕返しはたっぷりさせてもらうから"と。

その一言に真子は閉口した。

丸い目をさらに丸くして。

その表情も、俺の心を駆り立てる。

ましてや、今はウエディングドレスだ。

白い肌にオフショルダーのデザインが良く似合っていた。
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