Special to me
ホテルから歩いて5分。
貸切のレストランが2次会の会場。

受付は桐生と玲奈がやってくれた。

基本的には余興やビンゴ大会なので、形式ばったものは何もない。

だから、いろんな人がいろんなタイミングで話しかけてくる。

でも決定的だったのが恵美加の一言。

『何かあなたたち、披露宴の時より艶が出ているよ。この数時間、どうやって過ごしていたのかしらぁ?』

鋭いったらありゃしない。
人のことを気にする前に、まずは彼氏作れって感じ。

二次会は出入りも自由。

桐生は私達に断わって帰っちゃうし。
理由を聞いたら仕方ないんだけど。

『今度、桐生くんたちに会ってみたいな。あんなオーラを放つカップルに興味があるよ』

晃樹がそう言うと帰って行く桐生の背中を目で追っていた。

そうか。

彼女は結局、二次会の会場にはいたのにいろいろあって私達のところに来られなかったから、晃樹に紹介できなかったな。

二次会が終わり、私達は結局三次会まで付き合わされた。

晃樹の会社の同期達が主導。

鉄道会社の人たちは横のつながりが強くて、縦の繋がりも強い。

晃樹の会社は割とちゃんと役職名で呼ぶんだよね。

"駅長""区長""助役"とか。
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