Special to me
☆~side MAKO~
『はい、奥様』
三連休明けの朝、秘書室の私のデスクに来たのは恵美加。
そして机の上に置いたのは、新しい社員IDと名刺。
『そして、回収』
右手を出してきたので、何を回収するかを大方予想して"宇都宮真子"となっている社員IDをその手に乗せた。
「これは、どうも、根本さん。結婚式にお越しいただき、ありがとうございました」
『とんでもない、奥様』
「その奥様って言うのやめてもらえる?」
"米原真子"となっている新しい社員IDをケースに入れて、首から掛けながら私は恵美加に文句を言った。
『私は間違えたことを言ってないでしょ?』
「奥様だったら、すみれさんだってそうじゃん」
まだ出社していないすみれさん。
すみれさんだって奥様だ。
『じゃ、米原さんの奥様』
「あのね、ひがんでるの?」
『えぇ。あんだけ幸せ全開の結婚式と二次会に出てしまったら、私も結婚したくなった』
「まずは、相手だね。社内で探したら?桐生みたいに。すみれさんだってそうじゃん」
『人ごとのように言わないでちょーだい。で、ところで今夜空いてる?同期女子会。玲奈はいないけど』
今夜?
晃樹が珍しく日勤だ。
だから夜には帰ってくる。
「ダメダメ。今日は旦那さんが夜帰ってくるシフトだから、ごはん作らなくちゃ」
『おやおや、少し前まで料理オンチだった真子が一端に言うようになりましたねぇ』
三連休明けの朝、秘書室の私のデスクに来たのは恵美加。
そして机の上に置いたのは、新しい社員IDと名刺。
『そして、回収』
右手を出してきたので、何を回収するかを大方予想して"宇都宮真子"となっている社員IDをその手に乗せた。
「これは、どうも、根本さん。結婚式にお越しいただき、ありがとうございました」
『とんでもない、奥様』
「その奥様って言うのやめてもらえる?」
"米原真子"となっている新しい社員IDをケースに入れて、首から掛けながら私は恵美加に文句を言った。
『私は間違えたことを言ってないでしょ?』
「奥様だったら、すみれさんだってそうじゃん」
まだ出社していないすみれさん。
すみれさんだって奥様だ。
『じゃ、米原さんの奥様』
「あのね、ひがんでるの?」
『えぇ。あんだけ幸せ全開の結婚式と二次会に出てしまったら、私も結婚したくなった』
「まずは、相手だね。社内で探したら?桐生みたいに。すみれさんだってそうじゃん」
『人ごとのように言わないでちょーだい。で、ところで今夜空いてる?同期女子会。玲奈はいないけど』
今夜?
晃樹が珍しく日勤だ。
だから夜には帰ってくる。
「ダメダメ。今日は旦那さんが夜帰ってくるシフトだから、ごはん作らなくちゃ」
『おやおや、少し前まで料理オンチだった真子が一端に言うようになりましたねぇ』