Special to me
「これも全て恵美加様のお陰でございます。また誘って」
『はいはい。じゃぁね』

今日の私はご機嫌だ。
だって、晃樹にごはんが作れるんだもん。

社長にも指摘された。

『宇都宮さん・・・じゃなくて、米原さん。今日も機嫌がいいねぇ』
「わかりますか?」
『今日は早く帰らないとな』

私ってそんなに分かりやすいかなぁ。

定時になってダッシュで会社を出た。
食材は昨日買ってあり、帰りに足りない材料を少し買った。

今日は恵美加に教えてもらった筑前煮。

プラス出し巻き卵、トマトサラダ、ホウレンソウのお浸し。

大根とわかめの味噌汁。
でも私はまだまだ手際が悪い。

作っている最中に晃樹が帰ってきた。

『ただいま~』

私はとにかく、途中で手を止めて、玄関に向かう。

「おかえり。でもまだごはん出来てないの」
『大丈夫だよ』

と私の頭に手を置いた晃樹。

「だからぁ、先にお風呂に入ってきて」
『分かった。でもその前に・・・』

と、玄関の壁に私を寄り掛らせて、キスをしてきた。

それは、深くて、大人で、官能的で。

「もう、これからごはんなのにぃ」
『真子が可愛すぎるのが悪い』

いつもそんなことばっかり言う晃樹。

そんな晃樹は涼しい顔。
4つの歳の差って、こういうところで出るものだろうか。
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