Special to me
システム手帳を見つめる彼女も、とても可愛い。

結局彼女の仕草は、何でも好きなのかも。

「真子ちゃんの乗る8時28分の上り電車の頃で言うと、1番はワンマン、2番は上りホーム、3番は下りホーム、4番は券売機対応に備えて事務室で内勤。だから見方としては・・・」

『分かっています。明日は1番だから、明後日の朝、ワンマンにいるということですね』

"明日の朝はいないからなぁ"と、独り言のように彼女は寂しそうな顔をして、

『あの、明日の分まで、さっきのようにしてもらえますか?』
「さっきのように?」

彼女はシステム手帳をカバンにしまうと、さっきの再現のように俺に抱きついてきた。

『だって、明日の朝は、米原さんはいないでしょ?だから今だけ、独り占め。だって、今の米原さんなら、私を特別扱いしてくれるもん』

「真子ちゃんは、俺に特別扱いされれば、それで満足?」

俺は、この状況に、すっかり欲張りになっていた。

「いや、ごめん。君の言葉が欲しくなった」
『あ、ごめんなさい』

彼女は再び体を離した。
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