Special to me
『私は、お仕事をしている米原さんの姿を見ているのが好きです。でも、こうして、近くで米原さんを見ているのも好きです。よりカッコいいんです』

そう言うと、彼女は姿勢を正した。

『こんな子供で、まんまるくて、女性らしさのない私でよろしければ、これから、よろしくお願いします』

彼女はニッコリ笑った。

それにつられて俺も、

「ありがとう」

と微笑んだ。

『次に会えるのは・・・来週日曜日の明けですか?』

再びシステム手帳を取り出して俺のスケジュールを確認する彼女。

「いや、火曜日の夜、空いてない?」

『明けの日の夜ってことですか?えっと、社長はその日から出張なので、恐らく定時で帰れますから、大丈夫です』

「でもね、僕は欲張りだから、日曜日の明けの時も、空けておいてね」
『もちろんです!』

俺は笑顔でそう答える彼女の表情を自分の中に閉じ込めたくて、また彼女を抱きしめて、

彼女が、

『蚊に刺されて、足首が痒いです』

と言ってくるまで、いつまでも抱きしめていた。
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