Special to me
彼女は多分、俺の理性のクラッシャーだ。

「俺達がこうやってきちんと付き合えるようになってから間もなく1ヶ月。性急すぎることは分かっていたけど、俺も真子ちゃんとこうして過ごせることが嬉しいよ」

俺はそう言うと、彼女を布団に横たわせた。

彼女が下。俺が上。

「こうなることは、怖い?」

『いえ、全く。米原さんなら、私を大事にしてくれると思います。なぜなら、私は米原さんにとっての"特別なお客様"だから』

「ちょっと違うな」

俺は彼女の髪に片手を差し入れた。

「俺にとって真子ちゃんは、特別な"愛する女性"だから」

俺はそう言うと、彼女の唇に自分のそれを当てた。

すると、彼女もそれに応えるかのうように、俺の後頭部に自分の手を置いて、そのキスがより深いものにした。

時々唇を離し、互いを見つめる。
そして、また深く深く、キスを繰り返す。

ただただ無言で、お互いの感触を確かめる。
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