Special to me
『お願いがあるんです』
「何?」

『"真子ちゃん"じゃなくて"真子"と呼んでください。それなら、その時の思い出を忘れられるんです』

彼女のお願いは可愛いものだった。

昔の彼氏は彼女のこと"真子ちゃん"と呼んでいたんだね。
そいつと同じ呼び方をするのは癪だ。

「喜んで。それなら俺からもお願いがあるかな」
『・・・何でしょうか』

俺はゆるゆると腰を動かし始めながら彼女に答える。

「その敬語はやめてほしいのと、いい加減"米原さん"もやめて欲しいかな」
『喜んで・・・んっ』

丁度いいところに当たったのだろうか。
彼女の体がのけ反った。

「もっとして欲しい?」

『・・・はい』

妖艶な表情で俺に伝えた彼女。

かなりの童顔なのに、今は外の灯りだけが俺達を照らして、彼女の顔は完全に"女の顔"だった。

その表情に見入ってしまった俺。
すると、

『お願い、もっと・・・晃樹』

その彼女の声は、完全に俺の余裕を失くした。

「真子、これからは痛い思いはさせない。気持ちいいことしかしないから」

その俺の言葉を最後に、あらゆる角度から真子を味わった。

最後は、

「愛している。真子」
『私も、晃樹』

お互いの心を確かめ合いながら、俺達は昇りつめた。
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