Special to me
「え、誰か作るの?」
『うちの駅の場合は4番のシフトの人が作ることになっているんだ』

晃樹はそう言うとご飯を頬張った。

ご飯は山盛り。
良く食べる人なんだね。

「じゃぁ、晃樹も作ることがあるっていうこと?」
『もちろん』

「どんなの作るの?
『そうだなぁ。ご飯を炊いて、味噌汁作って、卵焼き作って、コンロで魚焼いたり、ひじき煮や切干大根をその場で作るか、家で大量に作って持って行くか』

「へぇ、すごい!」

私のように母に頼りっきりで手伝いもしない娘には、到底考えられないことだ。

こんな家事オンチ、正直に言ったら晃樹はがっかりするかな。

『どうしたの?俯いちゃって』

「だって・・・私より晃樹の方が、全然料理ができそうだから」

『料理なんて、いや料理じゃなくたって、家事は得意な方がやればいい話だよ。料理は男が得意ならソイツがやる。掃除が女が得意ならそっちがやる。それでいいじゃない』

"それに"と、牛乳を飲んでから、言葉を続けた。
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