Special to me
私がキッチンに立って、晃樹はローテーブルの前にある座布団に座った。

お湯を沸かす機械があったのでそれに水を入れて、スイッチを入れる。

すぐ分かるところにコーヒーの粉があったので、晃樹が用意してくれたマグカップに入れる。

砂糖とミルクもスタンバイ。
2人とも甘党だからね。

私が用意をしながら、晃樹に話しかける。

「さやかさんって、お年おいくつなんですか?」

『真子の1つ上。うるさいけど、あれでも気を使っているんだと思う。俺が前に結婚がダメになる付き合い方をしたから、真子が俺に本気か、何より俺が真子に本気かを見極めにきたんじゃないかと思う』

"ポン"

お湯が沸いた。

マグカップにお湯を注ぎ、ローテーブルに運ぶ私。

『ありがとう』
「どういたしまして。甘さは多分お好みに合っていると思うけど」

晃樹がひと口飲む。

『うん。美味しいよ』
「良かったぁ」

別に凝った料理を作ったわけでもないのに、緊張する私はレベルが低い。

『ごめんね。妹が突然来ちゃってさ。車を置いてたら、真子に会わせろって、うるさくて』
< 66 / 255 >

この作品をシェア

pagetop