Special to me
机の上を片付けて、いつもは私が手伝う後片付けも、

"誕生日の人は働かないで"と言われて、結局私は座ったまま。

しばらくすると、部屋はろうそくの匂いがしてきた。

晃樹はホールケーキに私の年齢の"2"と"4"の形に火をつけたろうそくが刺さった状態のものを持ってきた。

そして、晃樹は"せーの"と言うと、

『ハッピバースデートゥーユー~』

と、私に歌を歌ってくれた。

合わせて私はろうそくの火を消す。

『真子。お誕生日おめでとう』

と、ろうそくをホールケーキから外しながら言った。

生クリームたくさん。いちごと桃があしらわれている。

もしかして・・・

「このケーキも、晃樹が作ったの?」
『そうだよ』

サラリと言う晃樹。
アンタはパティシエか。

『スポンジがあんまり膨らまなくてさ、ちょっと失敗』
「いや、全然綺麗でしょ」

スポンジの失敗なんて全然感じない。

綺麗にデコレーションされていて、どこかで習ったのだろうか。

『よく、実家でさやかのために作っていたんだよ』

いいなぁ。
私もさやかちゃんになりたかった。

うちのお兄ちゃんたちはこんなことしてくれなかった。

晃樹は特別・・・だよね。
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