Special to me
『仕事の時に、してもらえたらいいなと思って選んだんだ』

リングもピアスも、華美なデザインではないので、仕事中でも十分身に着けられる。

「うん。絶対身に着けて仕事する!」

食事の時から2人横並びで座っている。

『真子のそんな顔が、俺には宝物だ』

と、私の頬に自分の手を触れて、軽くキスされた。

あれ?もっとしてくれるんじゃなかったの?

『もっと欲しそうな顔してる』

私の心は晃樹にバレバレだ。

"とりあえずケーキを冷蔵庫にしまうから"と言われ、その場を立ってしまった晃樹。

何で私は気がつかないんだろう。

全部晃樹に先回りされる。

絶対、晃樹の役に立てるように頑張るんだから。

"ごめん"とお詫びする必要がないお詫びをしながら晃樹が戻ってくると、

『もっと欲しいと思ったのは、俺も同じ』

と、私の耳元で囁いたのち、先程とは比べ物にならない深い深い大人のキスをくれた。

あまりに官能的で、私の体は力が入らなくなってしまった。

そんな私を、晃樹は背中に手を回して支える。

『さっきは物でプレゼントをあげたけど、今からは"俺"を真子にプレゼントするよ。どうして欲しい?』
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