Special to me
あれから、最終電車を見送って、ホームの電気を落とし、入り口のシャッターを閉めて改札機と券売機の電源を切り、事務室の電気を消して、仮眠室に入って就寝。

早番だった先輩が始発電車に合わせて起床し、俺が最終電車を見送った後にやった作業の逆のことをする。

遅番の俺は6時からの勤務。

作業シフトがあり、その通りにワンマンに入ったり、ホームに立つ。

彼女が平日にいつも乗る8時28分発の電車は、一番混雑するピークからは少しずれている。

彼女はどこまでこの電車に乗っているのだろう。

持っているICカードがトラブってくれないかな。

そうしたら、どこまで行くのかが分かるのに。

駅員としてそんないけない考えを持ってしまう。

傘を渡した翌日には、朝早くにゴルフバッグを持って現れたのにはビックリした。

ゴルフやるなんて、やっぱり男前。

しかも、俺に声を掛けてくれるなんて、これ以上ない幸せだ。

精いっぱいのお客様対応をした。

とびきりの笑顔を、彼女に・・・
< 8 / 255 >

この作品をシェア

pagetop