Special to me
キスしたまま、初めて隔たりのない俺を受け入れた真子の体。

それは、俺も初めて経験する感覚。
いや、別に多く経験しているわけではないけれども・・・

多分、いや絶対、目の前の女性のことを本気で愛していないと味わえない感覚だ。
それは真子も同じ思いだったらしく、いつも以上に感じている様子。
でも、顔が苦しそうだ。

「真子、声、我慢するな」
『・・・』
「ここはせっかくのスイートルームだ。俺のアパートじゃないんだから」

真子は声にせず、ただ頷いた。
そこからは夢中だった。
声を出すように言ったのは俺なのに、真子の素直な声に、俺が持って行かれてしまった。

ソファーでは飽き足らずにこの広い部屋のフカフカなカーペットを這いつくように体を入れ替えながら、気がつけば遠かったはずの窓側まで辿り着いていた。

窓から見える夜景の美しさに気付いた俺は、

「真子、見ろ。都会のイルミネーションだよ」
『うわぁ、キレイ』

真子は自分の格好を気にせず、窓に貼りついてその街並みを眺めていた。

そんな真子の姿も、今の俺にはただ欲情させるだけ。
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