Special to me
―コンコン―

『あ、ルームサービスだよ、多分』

急いである程度服を整える俺達。

テーブルに沢山の朝食が並べられ、お腹が空いていたのか、会話もせずに俺達はがっつり食べた。

『やっぱり、体力消耗したのかな、ウフフ』

真子はそう言って笑った。

「真子って意外と体力あるんだな。ゴルフ以外に何かやってた?」
『中学高校はバレーボール部だったよ。結構体力使うスポーツだから、そこで基礎体力が養われたのかな』
「かもね」

朝食を食べてからは、ベッドでレイトチェックアウトギリギリの午後1時まで、俺達はぐっすり眠った。

そして、

「必ず年始には、真子の親に挨拶するから」

と真子に約束して、家に送った。

送り終えた途端、俺の中で何かがくすぶった。

違う世界から元の世界に戻ってきたような感覚。

家に送っただけなのに、真子との距離が、すごく遠くにあるような気がして、ものすごく戸惑っている自分がいた。
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