ウェディングドレスと6月の雨
園内に入り、手前の地図看板の前に立った。
「いろいろありますね」
「ああ」
「何から行きます? 絶叫系ですか? それとも、まずはジャブ的にスカイサイクルから」
「……それにしようか」
穂積さんと地図で場所を確認してそのアトラクション入口に向かう。熱い日差し、アスファルトからの照り返し、湿気の少ない熱風。時折木陰に入ると日差しが遮れ、ヒンヤリとして気持ちよかった。正面にはジェットコースター、観覧車。手前にはメリーゴーランド、コーヒーカップ、ゴーカート。カラフルなペイントが施され、見ているだけでもテンションは上がる。
……のに。
「……」
穂積さんは相変わらず浮かない顔をしている。
「着いたぞ」
スカイサイクルの入口に来て、階段を登った。そのまま列に並ぶ。炎天下でペダルを漕ぐのが嫌なのか、隣に並んだ彼の顔を覗いた。
「ほら、行くぞ」
「はい」
スカイサイクルは青や赤、黄色など原色の車体。なのに私と穂積さんに回ってきたのはピンクの車体。すると背後で子供の泣き声が聞こえた。甲高い女の子の声。思わず振り返る。いたのは30代くらいの男性と3歳くらいの女の子。ピンクのかわいいマキシワンピを着ている。
「いろいろありますね」
「ああ」
「何から行きます? 絶叫系ですか? それとも、まずはジャブ的にスカイサイクルから」
「……それにしようか」
穂積さんと地図で場所を確認してそのアトラクション入口に向かう。熱い日差し、アスファルトからの照り返し、湿気の少ない熱風。時折木陰に入ると日差しが遮れ、ヒンヤリとして気持ちよかった。正面にはジェットコースター、観覧車。手前にはメリーゴーランド、コーヒーカップ、ゴーカート。カラフルなペイントが施され、見ているだけでもテンションは上がる。
……のに。
「……」
穂積さんは相変わらず浮かない顔をしている。
「着いたぞ」
スカイサイクルの入口に来て、階段を登った。そのまま列に並ぶ。炎天下でペダルを漕ぐのが嫌なのか、隣に並んだ彼の顔を覗いた。
「ほら、行くぞ」
「はい」
スカイサイクルは青や赤、黄色など原色の車体。なのに私と穂積さんに回ってきたのはピンクの車体。すると背後で子供の泣き声が聞こえた。甲高い女の子の声。思わず振り返る。いたのは30代くらいの男性と3歳くらいの女の子。ピンクのかわいいマキシワンピを着ている。