ウェディングドレスと6月の雨
フライングカーペットの列に並ぶ。1艘(そう)で50人位は乗れるから、次の回で十分に番は回ってくる。乗っている女の子達はキャーキャーと声を上げ、男の子達は両手を上げて笑っている。
「あれって、真ん中がいいのか? 端がいいのか?」
「あ、多分、端の方が高さも出て楽しいと思いますよ」
「……そうか」
その悲鳴がフライングカーペットの揺れと比例して小さくなる。乗客が降りると、並んでいた人達が順に乗り始めた。どうやら真ん中になりそう。
ピピピ……というベルの音が鳴り響いた。そして鳴り止むと私たちの乗ったフライングカーペットは軋みながら前後に揺れ出した。私はワクワクして手すりを掴む。穂積さんも大きな手でガッチリと掴んでいた。
「ひゃあ!」
カーペットは振幅を広げ、どんどん高くなっていく。降りるときのフワリとする浮遊感、風。気持ちいい。穂積さんは黙って手すりに掴まっている。
「……」
カーペットはとうとう頂点に来て、今度はぐるりと一周した。下りては上がり、上がっては下りる。それを数回繰り返して、徐々にスピードを下げた。
「あー、もう終わりなんて。また乗りませんか?」
「いや。次に行こう」
「あれって、真ん中がいいのか? 端がいいのか?」
「あ、多分、端の方が高さも出て楽しいと思いますよ」
「……そうか」
その悲鳴がフライングカーペットの揺れと比例して小さくなる。乗客が降りると、並んでいた人達が順に乗り始めた。どうやら真ん中になりそう。
ピピピ……というベルの音が鳴り響いた。そして鳴り止むと私たちの乗ったフライングカーペットは軋みながら前後に揺れ出した。私はワクワクして手すりを掴む。穂積さんも大きな手でガッチリと掴んでいた。
「ひゃあ!」
カーペットは振幅を広げ、どんどん高くなっていく。降りるときのフワリとする浮遊感、風。気持ちいい。穂積さんは黙って手すりに掴まっている。
「……」
カーペットはとうとう頂点に来て、今度はぐるりと一周した。下りては上がり、上がっては下りる。それを数回繰り返して、徐々にスピードを下げた。
「あー、もう終わりなんて。また乗りませんか?」
「いや。次に行こう」