ウェディングドレスと6月の雨
「……」
私は絶句した。先輩の発想力の素晴らしさに、そして強ちガセネタとも言い切れない内容に。穂積さんは未だに私とデートもどきの逢瀬を続けている。それは先輩が先日指摘したようにカモフラージュなのかもしれないって。神辺さんとの関係を誤魔化すための手段。
「だってさあ、そうとしか考えられない。あんな無愛想な性格の男が営業でエースなんてでっち上げよね」
「そうですか」
「で、広報室の高田くん、またカンカンらしいよ。美味しいところ持っていかれたからね。あ、噂をすればナントやら……」
先輩はペットボトルを片手にオフィスの入口にいく。いたの広報室の高田さん、穂積さんとは同期で前回のコンペでも会議には参加している。業績面で一歩も二歩も穂積さんに差を付けられて面白くないみたいで。先輩は高田さんにもコーヒーをお裾分けして、ペチャクチャとお喋りを楽しんでいる。情報収集に余念がない。
時折振り返って私をチラチラと見ているから、穂積さんとの映画デートの話でもしてるのかもしれない。今更否定してもしょうがないし、面倒だし、否定するほどやましいこともしていない。私と穂積さんは同僚、みたいなもの。
私は絶句した。先輩の発想力の素晴らしさに、そして強ちガセネタとも言い切れない内容に。穂積さんは未だに私とデートもどきの逢瀬を続けている。それは先輩が先日指摘したようにカモフラージュなのかもしれないって。神辺さんとの関係を誤魔化すための手段。
「だってさあ、そうとしか考えられない。あんな無愛想な性格の男が営業でエースなんてでっち上げよね」
「そうですか」
「で、広報室の高田くん、またカンカンらしいよ。美味しいところ持っていかれたからね。あ、噂をすればナントやら……」
先輩はペットボトルを片手にオフィスの入口にいく。いたの広報室の高田さん、穂積さんとは同期で前回のコンペでも会議には参加している。業績面で一歩も二歩も穂積さんに差を付けられて面白くないみたいで。先輩は高田さんにもコーヒーをお裾分けして、ペチャクチャとお喋りを楽しんでいる。情報収集に余念がない。
時折振り返って私をチラチラと見ているから、穂積さんとの映画デートの話でもしてるのかもしれない。今更否定してもしょうがないし、面倒だし、否定するほどやましいこともしていない。私と穂積さんは同僚、みたいなもの。