ウェディングドレスと6月の雨
その日、先輩はやたらとニヤニヤしていた。穂積さんが再びコンペに推薦されたことや高田さんが躍起になってるのが面白いのだと思った。昼過ぎになって営業部長からメールが届く。次回の会議の日程、議事内容、大まかな今後の予定などが書き込まれていて、私はそれを元に資料を作成した。毎週金曜日、午後4時から。穂積さんはきっと今回も遅れてくるんだろう。
就業後、先輩は帰り支度をするとスタスタと私のところに駆けて来てポンポンと私の肩を叩いた。そして意味ありげにフフフと笑い、オフィスの入口を見た。そこにいたのは高田さん。わざわざ私のいる総務課まで迎えに来たらしい。私はパソコンを切って、慌ててデスクの上を片付けた。立ち上がり支度をして、高田さんのところへ行く。
「すみません高田さん、お待たせしました」
「急かしたかな」
「いえ」
「さあ、行こうか。成瀬さんは何が好きなの」
「何でも。高田さんにお任せします」
「じゃあ、あそこは行った? パティスリー峻。食事も出来るんだよね」
「はい。ランチですけど」
「なんだ、あるんだ。残念」
穂積さんと行ったランチ。ケーキ屋さんが始めたレストラン。私が行ったことがあると言うと高田さんは舌打ちした。
「そこに行きませんか? 美味しかったから」
「そう。成瀬さんは優しいね」
就業後、先輩は帰り支度をするとスタスタと私のところに駆けて来てポンポンと私の肩を叩いた。そして意味ありげにフフフと笑い、オフィスの入口を見た。そこにいたのは高田さん。わざわざ私のいる総務課まで迎えに来たらしい。私はパソコンを切って、慌ててデスクの上を片付けた。立ち上がり支度をして、高田さんのところへ行く。
「すみません高田さん、お待たせしました」
「急かしたかな」
「いえ」
「さあ、行こうか。成瀬さんは何が好きなの」
「何でも。高田さんにお任せします」
「じゃあ、あそこは行った? パティスリー峻。食事も出来るんだよね」
「はい。ランチですけど」
「なんだ、あるんだ。残念」
穂積さんと行ったランチ。ケーキ屋さんが始めたレストラン。私が行ったことがあると言うと高田さんは舌打ちした。
「そこに行きませんか? 美味しかったから」
「そう。成瀬さんは優しいね」