ウェディングドレスと6月の雨
穂積さんは棚の扉を開けてマグカップを取り出した。でも、気に入らないのかそれをしまうと違うカップを取り出して。
「私、神辺さんと穂積さんがまだ続いてるって勘違いしてて……変な言い掛かりを付けてすみませんでした」
「いや、いい。元はと言えば俺が悪いんだし。いや、それより……いや、いい」
挙動不審はまだ続く。スプーンを出してはしまい、スティックシュガーを出してはしまい。
「だから、あの、迷惑なんかじゃないです」
「何が」
「週末、穂積さんと会うの」
「あ、ああ」
「だから誘ってもらえなくて先週、寂しくて」
自分でも何を話しているのか分からなくなってきた。告白しようなんて考えるからだ。
「私、だから、その……」
私の方が挙動不審になってきた。
「……」
「……」
2人で黙り込んだ。
「私、神辺さんと穂積さんがまだ続いてるって勘違いしてて……変な言い掛かりを付けてすみませんでした」
「いや、いい。元はと言えば俺が悪いんだし。いや、それより……いや、いい」
挙動不審はまだ続く。スプーンを出してはしまい、スティックシュガーを出してはしまい。
「だから、あの、迷惑なんかじゃないです」
「何が」
「週末、穂積さんと会うの」
「あ、ああ」
「だから誘ってもらえなくて先週、寂しくて」
自分でも何を話しているのか分からなくなってきた。告白しようなんて考えるからだ。
「私、だから、その……」
私の方が挙動不審になってきた。
「……」
「……」
2人で黙り込んだ。