ウェディングドレスと6月の雨
からかわれて、少し落ち着いたのか、私は急にお腹が空いてきた。そう言えば朝、ちゃんと食べていない。味見程度に摘まんで口に入れたけど、朝ご飯はまだで。ぐーぐるぐる。お腹がなってしまって。しかも豪快に。恥ずかししい。
「腹減ってるのか?」
私は頷いた。
「寝坊したのか?」
「違います。あの、お弁当作るのに緊張して食べるの忘れてて」
「緊張? だって弁当は毎日作ってるんだろ?」
「ハードル上げないでください……。人に作るのは久しぶりで。いつもは残り物だけど、今日は穂積さんに食べてもらうのにちゃんと作ったから」
「そうか。じゃあ、食べようか」
穂積さんは回れ右をして来た道を戻る。私も後につく。
駐車場に着いて後部座席から荷物を取り出す。穂積さんは全部持ってくれた。そしてスタスタと歩く。さっき歩いた方向とは違う道を行く。
「穂積さん、すみません」
「いや」
「重たくないですか?」
「いや」
荷物も重たいはずだけど、気持ちも重たくないかって。そんなことは穂積さんは気付いていないけど。
「腹減ってるのか?」
私は頷いた。
「寝坊したのか?」
「違います。あの、お弁当作るのに緊張して食べるの忘れてて」
「緊張? だって弁当は毎日作ってるんだろ?」
「ハードル上げないでください……。人に作るのは久しぶりで。いつもは残り物だけど、今日は穂積さんに食べてもらうのにちゃんと作ったから」
「そうか。じゃあ、食べようか」
穂積さんは回れ右をして来た道を戻る。私も後につく。
駐車場に着いて後部座席から荷物を取り出す。穂積さんは全部持ってくれた。そしてスタスタと歩く。さっき歩いた方向とは違う道を行く。
「穂積さん、すみません」
「いや」
「重たくないですか?」
「いや」
荷物も重たいはずだけど、気持ちも重たくないかって。そんなことは穂積さんは気付いていないけど。