ウェディングドレスと6月の雨
穂積さんは食べ終えるとシートを倒して目をつむった。3分としないうちに穂積さんからスースーという寝息が聞こえた。
「……」
両手を頭とシートの間に差し込んでいる穂積さんを見つめる。お互い、変に気遣ってるのも妙な連帯感があっていい。
私は自分のお弁当をトートにしまって足元に置く。そして助手席から身を乗り出した。
「穂積さん……」
手を運転席のシートについてゆっくりと身を傾ける。顔を近付けてそっとキスをした。
好き……。
「……え?」
突然、後頭部を押さえつけられた。
「穂積さ」
「喋るな」
押さえつけられて、強引にキスを続けさせられて。
「あんまり煽るな」
「だって……」
そんな言葉とは裏腹にキスは続けられた。