ウェディングドレスと6月の雨
お昼休み、私は鞄を持ってオフィスを飛び出した。階段を駆け下りて駐車場に向かう。自動ドアを抜けてブルリと震えた。師走の空気、もう冬も本番になる。コートを羽織るのを忘れてしまった。オフィスに戻る時間も惜しいし、私はそのまま駐車場に走った。いつものように穂積さんは手前の駐車枠で私を待っていて。
「待ちました?」
「ああ」
「すみません」
「いや」
ぶっきらぼうな返事も気にならなくなってきた。それは穂積さんの照れ隠しで、何かい言いたいことがあるときに無愛想になるのも何となく分かってきたから。
車は駐車場を出る。道路は少し混んでいる。
「混んでますね。12月ですし」
「ああ」
「年末ですね」
「そうだな」
大通りの交差点を2回目の青で通り抜ける。そして車はテナント脇の駐車場に入る。そのテナントが今日のランチのようで。
車を降りて店の前に行く。
「trinity……トリニティ?」
どこかで聞いたことのある店名。そうだ、穂積さんと付き合う前に連れて行かれたバー。
「覚えてるか?」
「ええ。何故ここに」
「2号店」
「待ちました?」
「ああ」
「すみません」
「いや」
ぶっきらぼうな返事も気にならなくなってきた。それは穂積さんの照れ隠しで、何かい言いたいことがあるときに無愛想になるのも何となく分かってきたから。
車は駐車場を出る。道路は少し混んでいる。
「混んでますね。12月ですし」
「ああ」
「年末ですね」
「そうだな」
大通りの交差点を2回目の青で通り抜ける。そして車はテナント脇の駐車場に入る。そのテナントが今日のランチのようで。
車を降りて店の前に行く。
「trinity……トリニティ?」
どこかで聞いたことのある店名。そうだ、穂積さんと付き合う前に連れて行かれたバー。
「覚えてるか?」
「ええ。何故ここに」
「2号店」